全日本を終えて・・・

 第19回全日本女子ユースサッカー選手権、凌ぎを削る戦いの末、カナクラーヴォは敗退してしまった。悔しさが無いといえば嘘になりますが、選手達は涙ぐんでる姿さえありましたが、やりきったという充実感の方が大きかったせいか何か清々しい顔にも見受けられました。今回のこの選手権での功績はきっと後輩たちへ受け継がれきっと素晴らしい伝統が築き上げられていくことでしょう。
 全国の各チームは皆々、それぞれに一生懸命練習して、きついきつい走り込みや、筋肉トレーニング、技術トレーニングなどを積んできた。そしてその練習の成果を限られた時間、ピッチの中で表現をする。ただ、ただ、「勝利」というこの2文字のために・・・。勝負とは本当に厳しく、残酷で、過酷なものだとつくづく思う。勝利の神様は時として非情な顔を覗かせるものである。全国出場常連チームがまさかの敗退をしたり、評判高い有名チームが無名チームに敗戦したり、ロスタイムの残り僅かな時間で勝利を掴み取るチームなど・・・。当たり前だが勝つチームがあれば負けるチームもある。勝負とは単純だと思われるが本当にこの単純な勝ち負けに数十人いや、ともすれば数百人が関わっている団体戦なのである。そして、勝てばそこには負けた何十というチーム選手たちの思い、監督、コーチの思い、さらには保護者の思いまでもが存在しているはずである。勝利することはもちろん大事で皆の結束力が高められ、大きな大きな感動も得ることが出来る。しかし戦いに負けて得られることの方がもっともっと重要でフォーカスされるべきなのではないだろうか? 「何故、負けたんだろう?」、「自分たちに何が足りなかったんだろう・・・?」「あの局面でどうすべきだったのか?」など、このさまざまな思い、疑問?、考える気持ち、感情、物事の捉え方こそが今後の子供たちを大きく成長させてくれる栄養素になるのだと確信したい。
 今のカナの選手たちが本当に、本当に、羨ましい限りである。これが私の正直で素直な感想である。カナクラーヴォで技術力が向上できたのは選手たちの練習の賜物かもしれないが、それ以外で学ばせて頂いたことが必ず将来の彼女たちに大きく大きく寄与することは間違いない・・・。カナクラーヴォ自体の存在に感謝。子供たちがサッカーというスポーツに出会えたことに感謝。そして、コーチ、保護者の皆に出会えたことに感謝である。本当にありがとうございました。